「木族」になりませんか of 同志社大学 経済学部 島ゼミ同窓会 「寒梅会」

櫻井銘木店 櫻井彰人(31期生)

桜井さん.jpg日常至る所にあふれている割に見落としがちな存在である木について感じてみませんか?

 昨今は、通信技術の著しい発展に伴い日常のスピードが大幅に増し人々のゆとりを奪っている状態です。だから今人々は、「スローライフ」を求め、山や川を歩き、自然の中に安らぎ、癒しを見出そうとするのではないでしょうか。自然の一部である木を家庭空問で使い自然を感じて暮らして見ませんか。

私の扱う木は、無垢材と呼ばれる自然により近い表情をしたものです。かつては床の間中心に用いられましたが、近年は、床の問に変わり、テーブルとして好まれています。1枚1枚それぞれの表情をもち使うほどに風合いと存在感が増します。だからこそ愛着がわくとともに安らぎを感じるのだと思います。

私見ですが、「木は生きている」とこの銘木業を通してより強く感じます。木は小さな苗から成長し、何百年もかけて大木へと育っていきます。太古の昔より私たちを何世代も見守ってくれ長老のような存在です。いつもどんな時もあたたかく見守ってくれているのです。

又実際木は、いろいろなことを語ってくれます。年輪に刻まれた大きなヒビはかつての大きな台風の到来を、木の中に埋まった銃弾は戦争を経験したことを教えてくれます。私はその立木を製材し木の第二の人生をスタートする手伝いをしております。出会う木の表情は毎回異なり、とても素直でおとなしい木もあれぱ、不恰好で暴れん坊な木もあります。

年を重ねて徐々に落ち着いていく様子は、子供が大人になることのようです。それぞれが味わい深い素敵な存在で家族の一員です。木がテーブルとなりお客様のもとに行く際は、子供を嫁にやる心境に似ているのではないかとおもいます。大切にされ、お客様と共に幸せになってもらえるようにと想い送り出しています。私が木に接し感じたことです。

 木に接したり感じたりする方法はさまざまです.まずは第一歩を踏み出し実際に木に接し自然を感じ木と共に暮らしませんか。